2022
04
27
タダより高いものはない!?~無料求人広告掲載の勧誘にご用心~

近年、無料求人広告のトラブルに関する相談を受ける機会が増えています。求人広告サイトの運営会社を名乗る業者から、電話やFAXなどで、(〇〇日間)無料で求人広告を掲載できるといった謳い文句で勧誘を受け、無料の期間だけのつもりで申し込んだところ、一定期間経過後に高額な料金を請求された、という相談です。

通常、申し込む側は、無料であることを前提に申込みをします。ところが、申込書には、小さい字や分かりにくい場所に、無料期間終了の〇〇日前までに解約の手続きをしなければ契約は自動更新され料金が発生するという趣旨の記載がされていて、解約に関する記載を見落としたり、失念したり、あるいは解約の手続きがわかりにくくて手間取っているうちに、無料期間が終了し、契約が自動更新されて料金を請求されてしまうのです(なお、このようなサイトに求人広告を掲載しても、それを見て応募が来るということはまず無いようです)。

このような場合であっても、必ずしも料金を支払わなければならないわけではありません。詳しい法律論はここでは省略しますが、そもそも契約が成立していない、錯誤・詐欺により契約を取り消す、債務不履行により契約を解除するなど、法律上の根拠に基づいて支払いを拒絶できる余地は十分にあります。

また、このような業者は、支払ってくれる人から支払ってもらえれば良いと考えている場合も多く、支払いには応じないという毅然とした態度を取ればそれ以上は請求されないこともありますし、弁護士に依頼をして支払いに応じない旨の通知をすることで解決できることもあります。

他方で、このような請求の特徴として、決して安くはないものの支払えないほどではないという絶妙な金額を請求してくる傾向があり、慌てて支払ってしまう方もいらっしゃいます。法律上は支払う必要がなかったとしても、一度支払ってしまうと取り戻すのは難しい場合もあります。

いずれにしても、このような請求を受けた場合には、支払ってしまう前に一度専門家に相談してみることが重要です。

もちろん、全ての業者さんが悪質な業者ではないと思いますが、タダより高いものはないという言葉のとおり、無料で求人広告を掲載できるというような美味しい話には安易に乗らないという姿勢は必要かもしれません。申し込む前に、勧誘してきた業者を検索するなどして怪しい業者かどうか調べるだけでも、このようなトラブルに遭遇する危険を減らすことはできるでしょう。

また、既に述べましたように、料金の請求を受けた場合でも、毅然とした対応をすれば支払わずに済む場合もあります。

当事務所では、このようなトラブルの相談も受け付けています。初回の相談は無料ですので、慌てて料金を支払ってしまう前に一度ご相談ください。

弁護士 福田光宏