2020
09
07
半沢直樹と再建型の法的手続

日曜劇場『半沢直樹』

毎週楽しみにされている方は多いのではないでしょうか。私もその1人です。

現在のシリーズは、バンカーとして経営状況が悪化する融資先の航空会社の自主再建を図ろうと奮闘する半沢と航空会社に債権を保有している銀行に対し一律7割の債権放棄を迫る政府との対立構図。出演者の演技も素晴らしく、毎回見入ってしまいます。

さて、このドラマでは、経営状況が悪化した航空会社の再建が1つのテーマになっておりますが、法律上、再建型の倒産手続として、会社更生手続と民事再生手続というものがあります。

いずれの手続も、事業を継続しながら、一定の要件を満たした場合に、大幅な債務免除を受け、裁判所の認可を受けた返済計画案に基づき、返済を続けていくものですが、会社更生手続は、対象が株式会社に限られ、会社の経営は裁判所が選任する更生管財人に引き継がれるのに対し、民事再生手続は、すべての会社や個人の方も対象となり、会社の場合には原則として経営陣がそのまま経営を行うことが可能であるなどの違いがあります。

最近は、「コロナ関連倒産」というワードの報道に接することもありますが、新型コロナウィルスの影響により経営状況が悪化している企業経営者の方や個人事業主の方でこのまま事業を継続することが難しいと考えられている場合でも、再建型の法的手続をとることにより事業を継続できる可能性もあります。まずは弁護士等の専門家に相談されることも考えてみていただければと思います。

弁護士 田村 暢健